動作温度の上昇とパワーサイクル寿命の向上

パワーモジュール内部のはんだ接合面積は、DCB基板とベースプレート間のはんだ層が一番大きく、その次はチップと DCB基板間のはんだ層です。これらのはんだ層をシンター接合に置き換えることで、動作温度の上昇とパワーサイクル寿命が向上し、チップの熱放散がより向上します。

2007年にセミクロンが発表したパワーモジュールのSKiNTERテクノロジーは、微細な銀パウダーを高圧下の250℃で、非常に小さい多孔性の銀の層に焼結したものです。銀の融点は962℃で、融点までチップとDCB間の接続は非常に安定しています。

SnAg系はんだの融点より約4倍高い銀の融点が、パワーサイクル寿命が2~3倍で高温動作時の焼結部の長期信頼性を実現しています。現在の標準的なSnAg系はんだは、125℃で熱ストレスによる劣化(金属疲労)が始まります。

下記の図は、パワーサイクル寿命の改善例です。はんだ付けモジュールは、はんだの劣化により熱放散が低下するためシンターモジュールよりもパワーサイクル寿命は短くなります。チップとDCB間をシンター接続したモジュールはより長寿命です。

はんだ付けパワーモジュールとシンター接続パワーモジュールのパワーサイクル寿命
はんだ付けパワーモジュールとシンター接続パワーモジュールのパワーサイクル寿命

はんだ層より少なくとも約70%薄いシンター層厚と約3倍の熱伝導率により、シンター層の熱抵抗は約1/15に低下します。はんだ接続と比較した他の利点は、低い熱膨張係数と高い引っ張り強度です。